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2015.08.16

気候に優しい冷媒であるDR-55を使用した初の空冷チラーをIIR国際冷凍会議に出展

快適な室内環境とプロセスソリューションおよびサービスを提供する世界的なリーダーであるトレイン社インガソール・ランド(Ingersoll Rand)ブランドは、IIR国際冷凍会議において、次世代の低地球温暖化係数(GWP)冷媒であるDR-55を使用した初の空冷式デモンストレーションチラーを発表しました。

このデモンストレーションチラーは、DR-55を使用したTrane AquaTrine™で、トップグレードのマンション、高級別荘、オフィスビル、小規模レストラン、小売店、ホテル向けに設計されたものです。信頼できる安定した高効率の運転を確保するため、高効率密閉スクロールコンプレッサおよびエバポレータ技術を採用しています。

ケマーズ社(The Chemours Company)によってOpteon™ XL55という商標が付けられたDR-55は、次世代の低GWP冷媒で、その他の冷媒に比べて安全性が高く、設計性能および持続可能性に優れています。HVAC業界では現在、オレフィンを主体としたDR-55の家庭用ユニット設備への使用について評価が進められています。

「規制当局による承認待ちのDR-55のような次世代冷媒によって、今後12~18カ月以内に高性能のHVACシステムが利用できるようになることを期待しています。インガソール・ランドは、環境に関して、効率を高め、気候に対する影響を減らす安全な技術を特定、試験、導入することを公約していますが、このデモンストレーションプロジェクトはそれを果たす一つの方法なのです」。インガソール・ランドのエンタープライズエンジニアリング担当副社長であるランダル・ニュートンは、このように述べています。

DR-55の性能調査
カリフォルニア大学デービス校西部冷却効率センター研究所は最近、Trane Precedent™ルーフトップ型ヒートポンプで使用されているR-410Aの設計互換性のある代替冷媒として、DR-55の試験を完了しました。

「地球温暖化係数と冷媒充填必要量が比較的低いDR-55をR-410Aの有力な代替冷媒として検討すべきです。実験室で行った試験では、幅広い外気条件において優れた性能が証明されました。低GWP冷媒を使用するには、可燃性をある程度容認しなければなりませんが、DR-55のような冷媒は、安全な導入の可能性を広げます」と、同センターのアソシエイトエンジニアであるカーティス・ハリントンは述べています。

オークリッジ国立研究所(ORNL)は最近、商業用ユニタリーシステムまたはルーフトップユニット(RTU)に使用されているR-410Aの設計互換性のある代替冷媒として、DR-55の全体的な性能を評価するための実証試験を完了しました。RTUは、米国における商業ビルの冷房の半分以上を占めています。

同研究所開発科学者であるボー・シェンは次のように述べています。「DR-55は、商業用ユニタリーシステムにおけるR-410Aの代替品として極めて有望な低GWP冷媒です。R-410AからDR-55への転換は比較的容易です。したがって、DR-55をR-410Aの設計互換性のある現実的な代替冷媒として検討すべきです。DR-55はR-410Aよりも性能が高く、環境にも利益をもたらします。R-410Aと比較してDR-55には、周囲温度が高くても、直接的な地球温暖化係数が70パーセント低い、冷媒充填必要量が10パーセント少ない、効率および容量ともに性能が著しく優れているといった利点があります」

IIRイベント
トレイン社のAquaTrineデモンストレーションユニットは、IIR国際冷凍会議において、2015年8月22日までパシフィコ横浜の18番ブースに展示されます。

IIR国際冷凍会議では、ケマーズ社の研究開発エンジニアであるジョシュ・ヒューエスとインガソール・ランドの熱システムエンジニアであるケン・シュルツがDR-55に関する論文を発表します。発表は2015年8月20日午前8時50分より411/412号室で行われます。

インガソール・ランドの気候に関する公約
2014年9月22日にインガソール・ランドは、従業員、顧客、株主に対し環境に関する公約を行い、2020年の中間発表と共に2030年までにエネルギー効率を大幅に向上させ、事業および製品ポートフォリオによる気候への影響を低減するためのロードマップを発表しました。

公約には、事業に関連するGHG排出量を2020年までに約35パーセント削減すること、製品に関連するGHG排出量を2020年までに50パーセント削減すること、GHG排出量の長期的な削減に向けた資金として今後5年間で5億ドルを製品に関連する研究開発に投資することなどが含まれています。この公約によって、2020年までに世界で約2,085万メートルトンのCO2の排出が回避できると予想されます。これは、1年間に約200万世帯が消費するエネルギー量に相当します。

 

インガソール・ランドおよびトレイン社について
インガソール・ランド(NYSE:IR)は、快適で持続可能な効率的な環境を創出することによって、生活の質を向上させています。従業員とClub Car®、Ingersoll Rand®Thermo King®、Trane®を含む各ブランドが協力し、住居およびビルにおける空気の品質および快適性の向上、食品および生鮮品の輸送と保存、工業生産性および効率性の向上に取り組んでいます。私たちは120億ドルの規模を持つ世界的な企業として、持続的な進化および永続的な成果を実現する世界に貢献しています。

トレイン社は、エネルギー効率に優れた暖房、換気、空調システム、建設および請負サービス、パーツサポートおよび高度な制御の幅広いポートフォリオによって室内環境を最適化するソリューションを提供しています。詳しくは、www.ingersollrand.comまたはtrane.comをご覧ください。

西部冷却効率センターについて
西部冷却効率センターは、カリフォルニア州エネルギー委員会公益エネルギー調査プログラムとの連携に基づき、カリフォルニア州クリーンエネルギー基金からの助成金によって、2007年にカリフォルニア大学デービス校エネルギー効率センターとともに設立されました。同センターは、業界関係者と協力し、米国西部において冷却に関連するエネルギーと水の消費量およびピーク時の電力需要を削減する技術およびプログラムを応用することによって、冷却技術の革新を推進しています。

国際冷凍協会(IIR)について
国際冷凍協会(IIR、www.iifiir.org)は、食品安全、環境保護(地球温暖化の抑制、オゾン層破壊の防止)、後発発展途上国の開発(食品、健康)を含む、現代の重要な問題に対応すべく、冷凍およびその関連技術に関する知識を推進している唯一の独立した政府間組織です。IIRは、生活の質の向上に尽力するとともに、持続可能な開発を促進しています。

 

グローバル発表英文記事は
こちら

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